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2022.12.08
中部経済新聞(2022年10月13日) 電気冷凍車の販売開始 11月から静岡、愛知で
普通トラックベースの冷蔵冷凍車を生産販売するヘイワオートサービス(本社浜松市東区西ヶ崎町1027、水谷欣志社長、電話053・434・8881)は11月から、軽トラックベースの電気冷凍車を静岡県、愛知県で本格販売する。2021年11月に完全子会社化した不二商(本社神奈川県清川村)の生産販売事業を東海地方で横展開する形。軽トラベースの電気冷凍車はニッチ市場だが、ポストコロナを視野に食品メーカー、食品卸、小売り、外食産業などの需要を掘り起こす。初年度30台の販売を目指す。
不二商は主に首都圏を事業領域に軽トラベースの電気冷凍車を年間80~100台生産販売していた。新型コロナの感染拡大で事業の先行きが不透明となり、ヘイワオートサービスが事業全てを譲り受け、完全子会社化した。
一般的な冷凍車はエンジンの動力をエネルギー源として冷凍機を稼働させる。車内のエアコンのような仕組みだ。一方、不二商が生産販売してきた電気冷凍車はエンジンの動力から発電し、いったん大型のバッテリーを充電。そのバッテリーの電気でコンプレッサーを動かし冷凍機を稼働させる。
電気冷凍車はエンジンの負荷を平準化し、燃料効率が改善する。100ボルトの電源から電力を供給できるため、エンジンを止めていても冷凍機能を維持できる。販売価格は240万~270万円で、一般的な冷凍車の5%増程度。投資効率は高いとしている。
不二商は従来通り、首都圏での営業を継続する。ヘイワオートサービスは現在、静岡県をメインに事業展開している。今回の電気冷凍車は潜在需要が大きいとみて、静岡県、さらに市場が大きい愛知県で販売する。
水谷社長は「2トン、4トンの冷凍車は大手メーカーが販売しており競争は激しい。一方、軽トラベースの冷凍車は規模が小さいニッチ市場のため大手メーカーは参入が難しい。中堅企業に伸びる余地があり、今後も事業領域を拡大していきたい」と話している。